傷病(補償)年金

長期間の療養を必要とされる傷病については、1日ごとの休業(補償)給付にかえて、1年ごとの補償である傷病(補償)年金に切り替えます。したがって、休業(補償)給付と傷病(補償)年金とは重複して支給されることはありません。

もちろん、傷病が治っていませんから引き続き療養(補償)給付は支給されます。

傷病(補償)年金の支給要件

療養開始後1年6ヶ月を経過した日、またはその日後次のいずれにも該当する場合、その状態が続いている間支給されます。

  • 傷病が治っていないこと
  • 傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること

傷病が治っていないが傷病等級に該当しない場合には、引き続き休業(補償)給付が支給されます。

傷病等級と支給額

傷病等級障害の状態年金額
第1級常時介護を要する状態給付基礎日額の313日分
第2級随時介護を要する状態給付基礎日額の277日分
第3級状態として労働不能の状態給付基礎日額の245日分

障害の状態は、6ヶ月以上その状態であるかどうかで認定されます。

支給期間

傷病の状態が傷病等級に該当しなくなるか、治癒または死亡して治療の必要がなくなるまで給付されます。

治癒とは、症状が安定し、疾病が固定した状態にあるものをいい、必ずしも傷病にかかる以前の状態に回復することをいうのではありません。症状が残っている場合でも、治療の必要が亡くなった場合には治癒したことになります。

傷病(補償)年金を支給する条件に該当しなくなっても、傷病が治癒していなければ再度休業(補償)給付の支給対象となります。

手続

療養開始後1年6ヶ月を経過した日または経過日後に支給要件に該当するとき、所轄労働基準監督署長は障害の程度の認定に基づき、傷病(補償)年金の支給の決定をしなければなりません。そのため、1年6ヶ月を経過した日に傷病が治っていないときは、所轄労働基準監督署長は1年6ヶ月経過日以後1ヶ月以内に、「傷病の状態等に関する届書」を労働者から提出させ、傷病(補償)年金を支給するか休業(補償)給付を継続するかを決定します。

他の労災保険給付は労働者の請求により支給されますが、傷病(補償)年金は労働基準監督署長の決定により支給されます。

障害の程度が変更した場合

障害の程度が変更し、新たに他の傷病等級に該当するようになったときは、その翌月から新たな傷病等級に応じた年金額となります。また、傷病等級に該当しなくなった場合は、休業(補償)給付に戻ることもあります。

労働基準法の打切補償との関係

療養開始後3年を経過した日において、傷病補償年金を受けている場合、または療養開始後3年を経過した日後傷病補償年金を受けることとなった場合、労働基準法第81条の規定により打切補償が支払われたとみなされ、解雇制限は解除されます。この規定は、業務災害に適用され、通勤災害には適用されません。(なぜなら、通勤災害の場合は解雇が制限されていないからです。)

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